修行の必要性

世襲による事業承継において、多くの経営者が採用している手法は

いわゆる「修行」とよばれる同業他社に入社して短期間に学んでくる

方法です。昔は丁稚奉公(でっちぼうこう)とよばれた働き方は基本的に

給与はゼロもしくはわずかであり、住み込みで働くといったことで

無償の労働力を提供することで技術を頂くことが常識でしたが、

今は修行と呼ばれていても、修行先の社員としてお給料を頂きながら

仕事を覚えるというものです。

最近では修行をせず、技術やノウハウを学校に入校し、授業料を

払って教えてもううというスタイルも存在します。

フューネにおいても、葬儀社のご子息をお預かりして社員として給与を

お支払いして一定期間勤務して頂く「修行」システムは10年前から

取りやめて、葬儀専門校としての「フューネクリエイトアカデミー」に

授業料を払って頂き入校して頂くという仕組み変更しています。

いわゆる学校に通うという方法は修行に比べて短期間でノウハウを

持って帰れるという点が一番の利点です。

教えるほうは給与を払ってではなく、教えられるほうからお金を頂く

ほうなので、「教えなければならない」というプレッシャーが半端ないのです。

結果的に秘伝のノウハウも隠さずに提供することになりますし、

結果的に技術の習得が早くなるのです。

単に技術やノウハウだけを習得するならば、修行と称して同業他社に

数年間勤務するよりも、半年もしくは一年間学校に通うほうが優れている

と思います。




しかしながら、後継者にとって「サラリーマン」経験というものは絶対に

大切だと思います。

私は修行と称して大手の葬儀社で3年間のサラリーマン経験を若い時に

経験しましたが、葬儀の技術やノウハウの習得よりもサラリーマンの

行動心理や同僚たちの人間関係が構築できたことはその後の仕事に

大きく役に立っています。

私の場合は同業他社でのサラリーマン経験でしたが、業種に関係なく

サラリーマン経験を積むことのほうが、より経験が豊富になると思います。

そして、学校で本業の技術やノウハウを短期間で学ぶことのほうが

現代の世情には適していると思うのです。




事業承継における修行は必要だといえます。

しなしながら、学ぶべきポイントは本業に関する技術やノウハウでは

なく、将来経営者として、絶対に必要な会社の仕組みや人間関係、

そして組織の理屈だと思います。


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未来への継承

世の中の変化のスピードは年々早くなる一方であり、半年前に

流行していた歌や芸も一年も持たずに見向きもされなくなってしまう時代です。

いつの時代もある日を境に産業の構造が変わってしまうことがあり、

それに対応の出来ない企業は会社の存続さえも危なくなってしまいます。

経済活動というものは大前提が平和な時にしか成り立たず、一たび戦争が

起きればどんな産業においても発展が難しくなってしまいます。

それでも日本には100年以上続いている企業が多くあり、存続をするには

幾多の危機を乗り越えていく強靭な体力と変化に対応する柔軟さを

兼ね備えていなければならないはずです。





10年先の未来を見据えた時に、消えてなくなるという産業がしばしば雑誌

の記事などに掲載されます。

私の本業である「葬儀」という仕事も30年先に産業として生き残っているのか

という予測に非常に厳しい答えが待っています。

人が亡くなることは変わらないのですが、そもそも人口減で需要が縮小して

いくことが必定な上、簡素な葬儀ばかりになっていくという予測の下では

葬儀社として生き残っていくにはなかなか大変な環境です。





事業承継において未来予想図が描けないということはまず成功しないはず

です。誰が後継者になっても産業そのものが成長をしていれば成功の確率

は上がりますが、未来に期待が持てない場合は事業承継は難しいものに

なります。場合によっては継承者が新たなビジネスに参入する創業者に

ならなければ成功をしません。

ただ継承をするだけでは企業を存続することが非常に難しい時代だからこそ、

未来をしっかりと予測する努力が必ず必要です。






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